新人看護婦の時の患者さんとのふれあい

もう20年ぐらい前の話です。新人看護婦だった私の最初の1年間の思い出は濃縮ジュースのような濃いものでした。
大学病院の病棟勤めでしたが、病院という所は、本当に色んな人がいて人生の学校のような所です。

ヤクザの人もいました。看護師への菓子折を持っていけと言われ、病院内の規則で貰えないことを言うと「持っていきやがられー」と怒鳴りつけられて「はいー!!」と受け取って逃げ帰ったこともあります。当時、ヤクザの抗争があったのでもの凄く焦って退院されましたが。

笑える事も多かったのですが、私の病棟は外科で癌患者さんも多くつらい話や悲しい事もあります。私は新人でしたがナゼか気管切開の痰の吸引がうまく、これがうまくないと患者さんは痰を詰まらせて相当苦しいのですが指名を受けるほどでした。
その気管切開をされた患者さんが まだ意識が会った頃、大変難しい患者さんで注射を一日4回定期的に接種するのですが新人なんかだと受けてくれません。考えたらそれはそうです、毎日の事なのにヘタな注射なんか受けたくはないと思います。
それでも仕事で行ってこいと言われたら注射を持って行かなければなりません。「1回試しにさせてください」とお願いし、渋い顔で奇跡的に承諾がおりました。私も慎重に筋肉注射をしました。このために私なりに 色々痛くない注射の業を練ってきてたのです。そのかいもあったのでしょう、意外とばかりの表情で「痛くなかった、これからはOK」と言われたのです。うれしかったです。
それから注射に自信を持ちました。正確に患者さんが痛くないようにと。それから その患者さんの付き添いをしてた奥さんの信頼を受け二人三脚のように看護させていただいたのですが、私の深夜夜勤の時 急変して亡くなられたのです。本当に奇妙な縁があったのかもしれませんが私を成長させてくれた患者さんの最初の一人です。